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諏訪湖畔遊覧船乗り場 蛾のさなぎソフト [風景など]

 また、諏訪湖に来てしまった。
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 数日前に地元の新聞に信州ゲテモノシリーズ第2弾発売の記事があるのをついつい見てしまう。第1弾のバッタソフトが好評なようで併売しつつ第2弾が登場、蛾のさなぎと表記されているが蚕の蛹がトッピングされている。
 実はまだ蚕は喰べたことが無い。小児期に住んでいた所の近くに製糸工場があったのだが、製糸工場の周囲には独特の匂いが漂っていた。どうもこの匂いを思い出してしまうので何となく喰べるのを避けていた。蚕の蛹を好きな人は大好きで素揚げや佃煮、砕いて粉にしたものをふりかけのようにして御飯などにかけて喰べる。やはり匂いが凄いのでスーパーなどでは珍味コーナーでサランラップでグルグル巻きにされて匂いが漏れ出ないようして販売されているのを以前は良く目にした。最近は製糸産業の衰退もありあまり見かけなくなっているところだ。蛹粉を釣りの餌として利用している方は匂いも御存知だろう。
 記事を見つつ喰べに行こうかどうしようか迷う。そのうち隣のデスクの御仁がこちらを妙な目付きで見ているのにふと気付いた。この御仁は道産子でこのブログの存在は知ってはいるが、田舎者の特殊な食生活として認識している節がある。
 このとき俄かに読心能力が芽生えた。「イナゴもザザムシも喰べてるのに蚕の蛹も同じことでしょ。何を悩んでるの。」と思ってるんじゃないか?と聞くと正にその通りだった。ごもっとも。
 折悪しく(折り良く)岡谷へ行く用事ができたので諏訪湖畔遊覧船乗り場へ向かうこととした。お盆の花火大会が近いためか仮設トイレなどの設営準備のため駐車場が一部閉鎖されておりほぼ満杯、このまま素通りしようとしたが、何故か1台分だけスペースが開いていた。駐車し売り場へ歩く。
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 蛾のさなぎソフトを注文。良く見ないでミックスと頼んだら、8月はラムネとバニラのミックスになっていた。
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 新聞では蛹は4個となっていたが、何故か5個トッピングされている。ベースのソフトの水色が嫌な感じだ。写真1枚目の段階で結構溶け出してきており慌てて喰べる。蚕の蛹はイナゴのカリッとした歯応えと異なりグニャッとした歯応え。甘露煮になっているが独特の癖が後を引く。ローストした鶏肉の臭味を凝集したような感じだ。色を除けばバニラでもラムネ味でもどちらのフレーバーでも蛹との相性に変わりは無い。味的には陸海老(おかえび)と別称されるようにイナゴの方が圧倒的に喰べ易いのでまずはこちらから味わうことを御勧めする。
 蚕の蛹はもともと廃棄物の再利用である。蚕は糸を吐きつつ繭を形成し中で蛹へと変態する。人間は絹糸が欲しいので鍋で繭を煮て糸をほぐして回収、蛹は哀れにも鍋の中に取り残される。昔はこれをオヤツなどに喰べ貴重な蛋白源としていた。

 例えるならば、孝行な町娘が無実の罪で捕らえられたおとっつぁんを釈放して貰えるように代官所に願い出る。奥に通され悪代官の前で切々とおとっつぁんの無実を訴える。悪代官は「そちの申せしこと相判った、悪いようにはせぬ。」喜ぶ町娘「御代官様、ありがとうございます」。帰ろうとする町娘を引きとめ悪代官「それでは判っておろうな。」隣の部屋への襖を開けると布団が敷いてある。狼狽する町娘。悪代官の手が町娘の帯にかかる。「御止めください、御代官様。」「ぐふふ、良いではないか、良いではないか。」帯を引っ張られくるくる回る町娘。「あーれー」「良いではないか。良いではないか。」「あーれー」...こんな感じ(ちょっと違う?)。もちろん正義の味方は助けに来ない。
 蚕の蛹を喰べた自分、次の日職場の女子に質問「どう、昨日と違って見えない?」「うーん、今日は髭生えてるね。」失礼な、ちゃんと剃ってます!!
 
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コメント 4

ねこまた

衝撃的な画像を載せていましたが
興味ある方には無害なものかと・・・

蚕蛾のさなぎ紹介ありがとうです。

セミはもう成虫のみしか
近畿阪神間大阪街中では幼虫捕れる時期は
とっくに過ぎているみたいで
羽のボロボロのアブラゼミ、クマゼミばかり
手掴みが出来る時期ですが、
冷凍ストックに200程

内山さんのセミ料理に脱帽でして
ハマッテシマッタ己にも・・・
本当にセミは成虫と幼虫の素揚げが一番
或は幼虫でしたら燻製も一番です。
陸にいるエビだと思えば簡単にパクっと。
by ねこまた (2010-08-21 23:42) 

punchiti

ねこまた(猫又)さん。こんにちは。ついつい喰べに行ってしまいました。蚕の蛹は伊那でも簡単に手に入るのですが、ザザ虫、イナゴ、蜂の子の伊那谷三大珍味程はメジャーではなく、実喰経験のある人も意外と少ないです。蝉は親戚のオッサンが昔喰べていたのを思い出します。ブログを見ていると写真が良いせいか、随分洗練された喰べ物のように思えます。
 一説によると日本で食用にされている昆虫は20種程のようですので是非全種制覇期待してます。
by punchiti (2010-08-22 13:11) 

ねこまた

どうもです。
>ザザ虫、イナゴ、蜂の子の伊那谷三大珍味程はメジャーではなく、
>実喰経験のある人も意外と少ないです。
時代は変わりつつ昔の食文化も一部の方々に継承されている感じですかね? でもそれらでも高級品ですから そう簡単には手が出せません。

>蝉は親戚のオッサンが昔喰べていたのを思い出します。
>ブログを見ていると写真が良いせいか、随分洗練された
>喰べ物のように思えます。
内山昭一さんのブログに負けますが・・・

>一説によると日本で食用にされている昆虫は20種程のようですので
>是非全種制覇期待してます。
いけそうな気もしないわけでは・・・
参加しますと食べずにはいられない空気になっていまして、
(良い意味での周りの空気)いつのまにかあれもこれもって
食べていた自分がいた。参加されていた方達も同じ。
でも、生では決してたべちゃー駄目なんで!と内山さん。
by ねこまた (2010-08-26 00:01) 

punchiti

ゲテモノハンターではないのですが、狸(メチャクチャ獣くさかったです)や蝮の干物は喰べたことがあります。昆虫喰と同じで良くある喰材以外のものでも一度心理的な壁を越えてしまうと案外平気になってしまうものです。
新たな味覚への挑戦にこれからも期待させていただきます。
寄生虫などの問題がありますので確かに生は危ないですね。無理しないでくださいね。
by punchiti (2010-08-26 21:16) 

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