MINATOYA(蕎麦処 港屋) 冷たい肉そば & 温かい肉そば [県外遠征(東京都)]
2013年のとある日、東京出張を命じられた。
去年から行く事を打診されていたのだが他の出張があったりで予定が合わずにいた。
結局断りきれずに結局土日を利用して出張することになったが、何しろ先方の指定が土曜日朝なので当日の長野県出発だとまず間に合わない。
前泊しても宜しいということで金曜日のうちに東京へ向けて出発した。
平日昼間のためか高速バスもゆったり乗れて渋滞も無く思っていたより早く新宿に着いた。
荷物を某所に秘匿してから中央線で東京駅へと移動。
早々と土産を入手(←こういうときだけ手際が良い)、お次は喰事をしたい。
東京駅一番街のラーメンストリートで摂取するかどうか迷ったが、せっかくなので平日しかやっていない店に行きましょう。
JR山手線新橋駅で下車、慈恵医科大学病院方面を目指す。
ブヨブヨと若干迷いながら歩くこと15分程で現地着。
看板が無いが店の前に何人か人が待っている様子だったので「港屋の行列です?」と聞くと「そうそう。5時30分からの開店待ちですよ。」と。
事前のリサーチだと建物は黒い外観だったが改装というか壁面の塗り替えをしたようだ。
窓の配置や建物の形は変わっていない。
スリット状の窓からどうしても中を覗きたくなるね。
午後5時ちょっと前の現着で昼の部の営業が終わり、すぐに店の前に支度中に相当するパネルが設置された。「いらっしゃいませ あちら側で、少々お待ちいただけますでしょうか。 ←」と小さい字で書かれている。
待ちながらちょっと外壁を見て回ると控えめに店名が記されたプレートがあるのみ。
暖簾や看板が無い(昔はそば処と書かれた行灯が出されていたようだ)ので待ち人が居なければ気づかなかったかも知れない。
聞くとも無しに先客の会話が耳に入る。
内容からはどうもお医者様の一団らしい。
平日の昼間に何故こんなところに?と思ったが皆スーツ姿でキャリーバッグ等を携えており出張スタイルのようだ。
こんなところにお医者様が沢山いるから地方での医師不足が生じているのではないかと待ちながら思いを巡らす(←多分違う)。
午後5時30分の開店時間になり、店内へ入る。
喰券制と聞いていたが直接レジで注文後に現金払いだった。
4人ずつオペレーションして行く(スペースの関係でカウンターに御盆が4枚しか載せられない)様で4人毎に列が進む。
自分は5番目だったので2組目のトップ。
2大看板メニューは冷たい肉そばと温かい鶏そばで可能であれば両方摂取したいところだが.......。
2個注文して良い?と店主に尋ねると提供数の事があるのでお一つでお願いします、と。
大盛りの店とも聞くので先ずは様子見で冷たい肉そば(850円なり、2013年3月現在)とした。大盛りは+100円なり(同)。
カウンター越しに店主の作業が見える。
蕎麦つゆを丼に入れ、辣油をたっぷり混ぜ入れる。
茹であがった蕎麦を一旦氷水で締めて丼に投入。
別鍋から具となる肉を蕎麦に載せ大量の刻み葱、白胡麻、刻み海苔をトッピングし完成。
生卵1個と蕎麦湯の入った蕎麦猪口がセットで提供される(左の猪口は自分でサーブした御冷やですよ)。
お盆を受け取り席へ、というか立ち喰いスペースへ。
店内は黒を基調とした一見バーの様な雰囲気。店の殆どを黒御影石の大きなテーブルが占めて客はその周りに立って蕎麦を喰べる。
ショパンのエチュードやスケルツォの流れる中、客は皆黙々と蕎麦を喰べるのだ。
某ラーメン店のように私語禁止の訳では無く、ひたすら自分の蕎麦と格闘するので結果的に無言になってしまうんだね。
オッサン(もとへ、ナイスミドル)も果敢に蕎麦へ挑む。
黒い田舎蕎麦タイプ(殻毎挽いて蕎麦粉にする)で太い。
更にかなり固目に茹で上げられており腰が強いというよりも歯応えが強いと表現した方が良さそう。
信州蕎麦のように手繰ることができず、しっかり噛んで味わうことになる。
これも無言になってしまう理由の一つだ。
具の肉は牛肉を甘辛く煮たもので牛丼の具を連想させる。
蕎麦つゆには大量の辣油が混ぜられているのを目の前で見たばかりだが思っていた程は辛くない。
自家製辣油なのかは不明だがおそらく飲める辣油的な調整がされているのだろう。
甘く濃い目の味付けだが蕎麦つゆとしての出汁の味はしっかりあり、斬新な味ながら蕎麦を喰べていることを忘れさせないバランスになっている。
卓上には天かずと唐辛子、山葵がある。
陣取った位置のせいで山葵と唐辛子には手が届かなかったので天かすのみ試したが自分的には無い方が好みだった。
(ブロガー諸氏の記述を見ると以前は卵と葱も卓上にあり入れ放題だったようだ。スタイルが変わったのか夜営業はこのスタイルなのかは不明。)
後半は生卵を蕎麦つゆに割り入れていただく。味がマイルドになるので辛いのが苦手な方は早目の投入でも良いだろう。
蕎麦は普通盛りで2玉程度あるのだが蕎麦湯も混ぜて結局蕎麦つゆも全部摂取してしまった。
立ち喰いなので御盆を返しに行く。
コンセプトとしてはつけ麺を彷彿とさせるが摂取した感想はやっぱり蕎麦なんだよなぁ。
さて、大盛りにしなかったこともありもうちょっと喰べられそうだ。
自分の後に入ってきた客は10数人程でまだ蕎麦にありつけていないのは2-3名。
これならそんなに待たずとも良さそうなのでもう1回並んでみた。
2-3分で自分の含まれる組になったのだが、自分の2人くらい前の客に温かい鶏そば終わっちゃいましたという嫌な宣告をしているのが耳に入る..........しまった.......最初に温かい鶏そばを注文しておけば良かった.........。
冬でも必ず盛りか笊のみで掛けはまず注文しない蕎麦喰ひの習性が出たのが良くなかった......。
店主が初回の遣り取りを覚えていたためちょっと待っててねといい、鶏肉が無くなっちゃたけどつゆはあるから肉そばの温かいヤツでも良い?といってくれたのでそれにすることにした。
先ほどと同じプロセスを経て温かい肉そばを捕獲。
構成は冷たい肉そばと同じだが蕎麦つゆが異なる。
辣油だけでなく粗挽きの黒胡椒がたっぷり入れられている。
蕎麦は2杯目なので少な目でねと頼んだがこの位?と見せられた量が先ほどとあまり変わらない。
少・な・目・ね・ッ。
店主が残念そうに蕎麦を減らす。
一掴みずつ2回減量して貰ったが結局1玉半位の量だった。
減量コールの度に店主がちょっと哀しそうな顔をするのでここでギブアップ。
どうも店主としてはたくさん喰べて欲しいみたいだね。
黒胡椒のスパイシーさが加わったためかこちらは更にパンチの効いた味わい。
一際個性の際立つ組み合わせでこってりした味好きの人はこちらの方が嵌るかも知れない。
温かいのは蕎麦つゆだけで蕎麦は先程と同じ冷製。
微妙に噎せつつ摂取。
冷たいと温かいの順番が逆だと温かいつゆに冷たいつゆのインパクトが負けてしまっただろうから結果的にこれで良かった。
本来の温かい鶏そばは蕎麦つゆに刻み葱と鶏肉のブツ切りが入っているようなので今度行く機会があれば正規バージョンで喰べてみたいね。
際物同士の組み合わせで一見ミスマッチと思ったが、料理としては上手く融合している。
信州の蕎麦喰ひとしては自作もそのうち試してみたいところだが.......。
奇天烈というか今までに無かった味の蕎麦だけで無く店構え、演出も含め非常に個性的な店だ。
店主の物腰は柔らかながら全てに於いて信念というか強い意志を感じた。
去年から行く事を打診されていたのだが他の出張があったりで予定が合わずにいた。
結局断りきれずに結局土日を利用して出張することになったが、何しろ先方の指定が土曜日朝なので当日の長野県出発だとまず間に合わない。
前泊しても宜しいということで金曜日のうちに東京へ向けて出発した。
平日昼間のためか高速バスもゆったり乗れて渋滞も無く思っていたより早く新宿に着いた。
荷物を某所に秘匿してから中央線で東京駅へと移動。
早々と土産を入手(←こういうときだけ手際が良い)、お次は喰事をしたい。
東京駅一番街のラーメンストリートで摂取するかどうか迷ったが、せっかくなので平日しかやっていない店に行きましょう。
JR山手線新橋駅で下車、慈恵医科大学病院方面を目指す。
ブヨブヨと若干迷いながら歩くこと15分程で現地着。
看板が無いが店の前に何人か人が待っている様子だったので「港屋の行列です?」と聞くと「そうそう。5時30分からの開店待ちですよ。」と。
事前のリサーチだと建物は黒い外観だったが改装というか壁面の塗り替えをしたようだ。
窓の配置や建物の形は変わっていない。
スリット状の窓からどうしても中を覗きたくなるね。
午後5時ちょっと前の現着で昼の部の営業が終わり、すぐに店の前に支度中に相当するパネルが設置された。「いらっしゃいませ あちら側で、少々お待ちいただけますでしょうか。 ←」と小さい字で書かれている。
待ちながらちょっと外壁を見て回ると控えめに店名が記されたプレートがあるのみ。
暖簾や看板が無い(昔はそば処と書かれた行灯が出されていたようだ)ので待ち人が居なければ気づかなかったかも知れない。
聞くとも無しに先客の会話が耳に入る。
内容からはどうもお医者様の一団らしい。
平日の昼間に何故こんなところに?と思ったが皆スーツ姿でキャリーバッグ等を携えており出張スタイルのようだ。
こんなところにお医者様が沢山いるから地方での医師不足が生じているのではないかと待ちながら思いを巡らす(←多分違う)。
午後5時30分の開店時間になり、店内へ入る。
喰券制と聞いていたが直接レジで注文後に現金払いだった。
4人ずつオペレーションして行く(スペースの関係でカウンターに御盆が4枚しか載せられない)様で4人毎に列が進む。
自分は5番目だったので2組目のトップ。
2大看板メニューは冷たい肉そばと温かい鶏そばで可能であれば両方摂取したいところだが.......。
2個注文して良い?と店主に尋ねると提供数の事があるのでお一つでお願いします、と。
大盛りの店とも聞くので先ずは様子見で冷たい肉そば(850円なり、2013年3月現在)とした。大盛りは+100円なり(同)。
カウンター越しに店主の作業が見える。
蕎麦つゆを丼に入れ、辣油をたっぷり混ぜ入れる。
茹であがった蕎麦を一旦氷水で締めて丼に投入。
別鍋から具となる肉を蕎麦に載せ大量の刻み葱、白胡麻、刻み海苔をトッピングし完成。
生卵1個と蕎麦湯の入った蕎麦猪口がセットで提供される(左の猪口は自分でサーブした御冷やですよ)。
お盆を受け取り席へ、というか立ち喰いスペースへ。
店内は黒を基調とした一見バーの様な雰囲気。店の殆どを黒御影石の大きなテーブルが占めて客はその周りに立って蕎麦を喰べる。
ショパンのエチュードやスケルツォの流れる中、客は皆黙々と蕎麦を喰べるのだ。
某ラーメン店のように私語禁止の訳では無く、ひたすら自分の蕎麦と格闘するので結果的に無言になってしまうんだね。
オッサン(もとへ、ナイスミドル)も果敢に蕎麦へ挑む。
黒い田舎蕎麦タイプ(殻毎挽いて蕎麦粉にする)で太い。
更にかなり固目に茹で上げられており腰が強いというよりも歯応えが強いと表現した方が良さそう。
信州蕎麦のように手繰ることができず、しっかり噛んで味わうことになる。
これも無言になってしまう理由の一つだ。
具の肉は牛肉を甘辛く煮たもので牛丼の具を連想させる。
蕎麦つゆには大量の辣油が混ぜられているのを目の前で見たばかりだが思っていた程は辛くない。
自家製辣油なのかは不明だがおそらく飲める辣油的な調整がされているのだろう。
甘く濃い目の味付けだが蕎麦つゆとしての出汁の味はしっかりあり、斬新な味ながら蕎麦を喰べていることを忘れさせないバランスになっている。
卓上には天かずと唐辛子、山葵がある。
陣取った位置のせいで山葵と唐辛子には手が届かなかったので天かすのみ試したが自分的には無い方が好みだった。
(ブロガー諸氏の記述を見ると以前は卵と葱も卓上にあり入れ放題だったようだ。スタイルが変わったのか夜営業はこのスタイルなのかは不明。)
後半は生卵を蕎麦つゆに割り入れていただく。味がマイルドになるので辛いのが苦手な方は早目の投入でも良いだろう。
蕎麦は普通盛りで2玉程度あるのだが蕎麦湯も混ぜて結局蕎麦つゆも全部摂取してしまった。
立ち喰いなので御盆を返しに行く。
コンセプトとしてはつけ麺を彷彿とさせるが摂取した感想はやっぱり蕎麦なんだよなぁ。
さて、大盛りにしなかったこともありもうちょっと喰べられそうだ。
自分の後に入ってきた客は10数人程でまだ蕎麦にありつけていないのは2-3名。
これならそんなに待たずとも良さそうなのでもう1回並んでみた。
2-3分で自分の含まれる組になったのだが、自分の2人くらい前の客に温かい鶏そば終わっちゃいましたという嫌な宣告をしているのが耳に入る..........しまった.......最初に温かい鶏そばを注文しておけば良かった.........。
冬でも必ず盛りか笊のみで掛けはまず注文しない蕎麦喰ひの習性が出たのが良くなかった......。
店主が初回の遣り取りを覚えていたためちょっと待っててねといい、鶏肉が無くなっちゃたけどつゆはあるから肉そばの温かいヤツでも良い?といってくれたのでそれにすることにした。
先ほどと同じプロセスを経て温かい肉そばを捕獲。
構成は冷たい肉そばと同じだが蕎麦つゆが異なる。
辣油だけでなく粗挽きの黒胡椒がたっぷり入れられている。
蕎麦は2杯目なので少な目でねと頼んだがこの位?と見せられた量が先ほどとあまり変わらない。
少・な・目・ね・ッ。
店主が残念そうに蕎麦を減らす。
一掴みずつ2回減量して貰ったが結局1玉半位の量だった。
減量コールの度に店主がちょっと哀しそうな顔をするのでここでギブアップ。
どうも店主としてはたくさん喰べて欲しいみたいだね。
黒胡椒のスパイシーさが加わったためかこちらは更にパンチの効いた味わい。
一際個性の際立つ組み合わせでこってりした味好きの人はこちらの方が嵌るかも知れない。
温かいのは蕎麦つゆだけで蕎麦は先程と同じ冷製。
微妙に噎せつつ摂取。
冷たいと温かいの順番が逆だと温かいつゆに冷たいつゆのインパクトが負けてしまっただろうから結果的にこれで良かった。
本来の温かい鶏そばは蕎麦つゆに刻み葱と鶏肉のブツ切りが入っているようなので今度行く機会があれば正規バージョンで喰べてみたいね。
際物同士の組み合わせで一見ミスマッチと思ったが、料理としては上手く融合している。
信州の蕎麦喰ひとしては自作もそのうち試してみたいところだが.......。
奇天烈というか今までに無かった味の蕎麦だけで無く店構え、演出も含め非常に個性的な店だ。
店主の物腰は柔らかながら全てに於いて信念というか強い意志を感じた。
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