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信濃路遊膳 蕎麦の里「そばのさと」 どうづきそば [風景など]

 新聞を読んでいたらとある記事に目が留まった。
 新しい手法で蕎麦を作る機械開発の記事で茅野商工会議所、精密機器メーカーと信州大学農学部植物栄養学井上直人教授により共同開発されたとある。
 「千本杵搗(きねつき)機」と名付けられたその機械により生み出される蕎麦は従来とは全く味わいが異なるらしい。
 ここで一般的な蕎麦の製法についておさらいしておきましょう。
 収穫された蕎麦の実は製粉され、蕎麦打ちの際に水分を加えられる。
 捏ねられて蕎麦生地となり
 細くカット(蕎麦切り)された後に茹でられて御馴染みの蕎麦になる。
 良く蕎麦の三立て「挽き立て、打立て、茹で立て」とも云われるが、蕎麦の香りと風味は案外容易に失われてしまうものだ。
 腕でカバーできるのは打立て、茹で立てだが、問題は挽き立てである。
 機械製粉のみならず、昔ながらの石臼であっても蕎麦の実を挽く工程で発生する摩擦熱や乾燥が蕎麦の風味にとって大敵であるのだがこれは避けようが無い。
 そこで新手法の登場である。
 「千本杵搗機」は浸水させた蕎麦の実を甘皮もろとも臼で搗いて潰し蕎麦生地に変貌せしめる。
 粉を挽く過程が含まれていないため蕎麦の実が持つ本来の甘みや風味を保持する事が可能とされている。
 そういえば蕎麦の実を使った汁物や雑炊では蕎麦切り(所謂蕎麦)とはまた違った風味が楽しめるものだ。

 要約すると餅で言えば道明寺粉や白玉粉から捏ねて作るか糯米を蒸してから杵臼で仕上げるかの違いのようだね。
 さて、その味わいや如何に?
 ブヨブヨと茅野市に向かう。ルート選択を迷ったが最短距離で国道152号線で杖突峠を抜けるルートを選んだ。
 道路にこそ雪は積もっていないが峠の頂点に近付くに連れて道路脇には雪の壁が出現し次第に高さを増す。
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 杖突峠の展望台から諏訪地域を見渡すとかなり積雪が残っているようだ。
 無事に峠を降りて「そばのさと」を目指す。ちょっと迷ったが何とか午前中に到着できた。
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 店内に入りお目当ての蕎麦を注文する。「どうづきそば」と名付けられており1600円(2013年3月現在)なり。
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 ついでにミニ天丼も注文。
 先客は数名だったが1テーブルにつき1枚はどうづきそばを頼んでいるようだ。ちなみに1日20喰限定。
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 御約束の蕎麦茶をじるじると啜る。
 数分で蕎麦が来た。
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 新蕎麦のシーズンだけあって蕎麦はほんのりと緑がかっている。
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 ところどころに白色の部分があり全体的にゴツゴツとした見た目だ。
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 先ずは水蕎麦でどうぞ、と促される。
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 グラスからそのまま蕎麦を手繰るが、啜ることができず。パスタを喰べるような感じで口中に投入せしめた。
 まずは蕎麦の甘みを強く感じる。
 蕎麦の風味も強く何も調味料が無くともそのままいただけそうな感じだ。
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 焼塩でもどうぞと云われ試してみる。
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 今度は蕎麦つゆに漬けていただく。
 蕎麦つゆは信州らしいややあっさりとしたつゆ。
 水蕎麦や塩で喰べる方が美味しく感じたのでこれはこれで良いのかもと思う。
 つるつると啜るのでは無くしっかりと噛んで喰べる蕎麦だ。
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 箸で持ち上げた時にクタッとしていないのが伝わるだろうか。
 普通の蕎麦より若干モチッとした喰感だ。
 キリリと冷やされたどうづきそばをガヒッガヒッと摂取していく。
 最後の方はそのまま、或いは焼塩で色々な味わいを楽しむ。
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 ミニ天丼は甘目のタレで海老、南瓜、スナップ豌豆が載せられていた。御飯は半合弱といったところで蕎麦1枚と合わせて昼喰としては丁度いい量だった。
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 蕎麦湯をいただいて撤収。
 営業前に蕎麦生地を作るため営業時間内は千本杵搗機は稼働していないそうだが蕎麦打ち実演みたいに展示があると尚良いね。
 蕎麦掻きなどにも応用が効きそうなので新たな蕎麦料理の登場に期待が膨らむ。
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